眠れない夜の終わりと、新しい一日の始まり。その境目にある「午前四時」を描いた曲です。
時計は四時を過ぎているのに、夜はまだ終わらない。静かな部屋では冷蔵庫の音だけが響き、カーテンのすき間から少しずつ青い光が差し込んでくる。
眠れなかった理由を、この曲でははっきりと語っていません。
ただ、消したはずの通知が「胸の奥でまだ鳴っている」。
もう画面には何も残っていなくても、誰かの言葉や出来事は簡単には消えてくれない。忘れようとしても、心だけがまだその場所に取り残されている。そんな夜があります。
やがて部屋を出ると、コンビニの明かりが朝露に滲み、信号は誰もいない交差点で青に変わる。買ったコーヒーは少し苦く、飲みきれないまま冷えていく。
世界は何事もなかったように、朝へ向かって動き始めます。
この曲の中で何度も繰り返されるのは、「今日も朝が来て」という言葉です。
それは希望に満ちた朝ではありません。
眠れなかったことも、泣いていたことも、胸の奥に残っているものも、何ひとつ解決していない。それでも鳥は鳴き、空は明るくなり、また今日が始まってしまう。
だから最後に出てくる、「変われなくてもいい 答えなんてなくていい」という言葉は、前向きになろうと自分を奮い立たせるための言葉ではありません。
無理に答えを出さなくてもいい。昨日までの自分を劇的に変えなくてもいい。
ただ、夜を越えた。それだけで、今日を歩き始める理由にはなる。
午前四時は、夜でもあり、朝でもあります。
暗闇が完全に消えたわけではないけれど、遠くではもう光が始まっている時間。
『午前四時』は、そんな境界線に立ちながら、答えのないまま今日へ向かって歩き出す歌です。